数学の超難問「フェルマーの最終定理」が1995年にアンドリュー・ワイルズによって証明されるまでの3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘を描く!
タイトル/
フェルマーの最終定理
サブタイトル/
–
原タイトル/
Fermat’s Last Theorem
著者/
●サイモン・シン
1964年1月1日、イギリス・イングランド・サマーセット州生まれ。
作家、テレビプロデューサー。
インペリアル・カレッジ・ロンドンで物理学を学ぶ。
ケンブリッジ大学で素粒子物理学の博士号を取得。
1987年、インドの全寮制男子校The Doon Schoolで科学を教えた。
1990年、イギリスに戻り、BBCの科学・特集部門に入り、プロデューサー兼ディレクターとして『トゥモローズ・ワールド』や『ホライゾン』などの番組を担当。
1996年、フェルマーの最終定理と題されたドキュメンタリーがBAFTA賞(英国アカデミー賞)を受賞。
1997年、フェルマーの最終定理がBBCで放送され、また、アメリカでも放映された。
“証明”というタイトルで、アメリカのエミー賞にノミネートされた。
このドキュメンタリーは、シンの最初の本「フェルマーの最終定理」の主題であった。
1997年、2冊目の本『The Code Book』に取り組み始めた。
2004年、宇宙の歴史を語る『ビッグバン』を出版。
2003年、科学、技術、工学への貢献が認められ、大英帝国勲章(MBE)を授与された。
同年、ラフボロー大学から文学博士(名誉勲章)を授与され、2005年にはサウサンプトン大学から数学の名誉学位を授与された。
2006年、西イングランド大学から名誉博士号(デザイン学)を授与された。
2008年、一般の人々に物理学を普及させた功績が認められ、英国物理学会からケルビン・メダルを授与された。
2011年、科学への貢献が認められ、ケント大学から科学博士号(Honoris Causa)を授与された。
2012年、科学コミュニケーション等への貢献が認められ、セントアンドリュース大学から名誉博士号(honoris causa)を授与された。
●英国カイロプラクティック協会批判に端を発した英国名誉毀損法についての議論
【経緯】
2008年4月、サイモン・シン氏が、「ガーディアン」紙のウェブサイトに掲載しているブログ上において、英国カイロプラクティック協会についての批判的な見解を述べる。同協会は名誉毀損でシン氏を告訴。
2009年5月、裁判所は、シン氏がブログ上で述べた見解には英国カイロプラクティック協会が詐欺を働いていると示唆する文章が含まれており名誉毀損に当たる、との訴えを認める。
2010年2月、シン氏が、ブログ上の記述は「正当な論評」に相当するものであり名誉毀損には当たらない、との訴えを控訴院に提出。
2010年4月、控訴院がサイモン・シン氏の主張を認める。
2010年4月、英国カイロプラティック協会が名誉毀損の訴えを取り下げる。
【英国名誉毀損法の実態】
「英国の名誉毀損法は、社会の利益となるはずの事柄を科学者やジャーナリストが報道することを妨げている」との国連人権委員会の見解がある。
実際、名誉毀損法で訴えられた場合、ジャーナリストに強いられる負担は大きい。
まず、そのジャーナリストは、判決が下されるまでにかかる費用の大半を払わなければならない。
さらには、無実が確定されるまでは、訴えられた側に罪があると見なされる現行法下においては、ジャーナリストは弱い立場にあり、大企業はそのような状況を利用して名誉毀損法をちらつかせることで不利な報道を封じ込めようとしているとされている。
シン氏の訴訟がきっかけとなり2013年に名誉毀損法が改正された。
訳者/
青木 薫
1956年、山形県生まれ。
京都大学理学部卒業、同大学院博士課程修了、「原子核間ポテンシャルのパリティ依存性及び角運動量依存性に関する微視的研究」で理学博士。
専門は理論物理学。
2007年度日本数学会出版賞受賞。
翻訳本多数。
サイモン・シンの著作もすべて翻訳している。
シリーズ名/
新潮文庫
出版社/
新潮社
出版年/
2006年
ページ数/
495p
価格/
935円(税込)
内容紹介/
17世紀、フランスの裁判官・数学者、ピエール・ド・フェルマーが古代ギリシャの数学者ディオファントスが著した『算術』の注釈本の余白に書き込みを残した。
「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」。
以後、あまりにも有名になったこの数学界最大の超難問「フェルマーの最終定理」への挑戦が始まった。
天才数学者アンドリュー・ワイルズの完全証明に至る波乱のドラマを軸に、3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘が描かれる。
感想/
★★★★☆
著者の他の著作/
『暗号解読』
『数学者たちの楽園』
『代替医療解剖』
『ビッグバン宇宙論』
『宇宙創成』
映画化/
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その他/
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