白馬岳の山頂まで50貫(約187キロ)もの大岩を背負い上げた男の物語。
タイトル/
強力伝
サブタイトル/
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著者/
新田次郎
1912年、長野県諏訪郡上諏訪町(現:諏訪市)角間新田(かくましんでん)生まれ。
1980年、死没。
本名は、藤原寛人(ふじわらひろと)。
藤原彦、りゑの次男として生まれる。
ペンネーム「新田次郎」の由来は、“新田の次男”から。
妻の藤原ていは作家。
次男の藤原正彦は数学者・エッセイスト。
無線電信講習所(現在の電気通信大学)卒業。
1932年、中央気象台(現:気象庁)に入庁、富士山観測所に配属。
1943年、満州国観象台に転職。
1945年、新京(満洲国の首都、現在の長春市)にてソ連軍の捕虜となり、中国共産党軍にて一年間抑留生活を送る。
1946年、帰国し中央気象台に復職。
1951年、サンデー毎日第41回大衆文芸(サンデー毎日創刊30年記念百万円懸賞小説)に「強力伝」を応募、現代の部一等に輝き作家活動をはじめる。
1955年、「山犬伝」でサンデー毎日第47回大衆文芸賞を再度受賞。
同年、「孤島」でサンデー毎日三十周年記念大衆文芸賞で一等入選となる。
同年、無線ロボット雨量計の発明により、運輸大臣賞を受賞。
1956年、『強力伝』で直木賞受賞。
1963年~1965年、気象庁観測部測器課補佐官・高層気象観測課長・測器課長として、富士山気象レーダー建設責任者となり、建設を成功させる。
1966年、気象庁観測部測器課長を最後に依願退職。
1974年、『武田信玄』ならびに一連の山岳小説に対して吉川英治文学賞受賞。
1979年、紫綬褒章受章。
1980年、心筋梗塞のため武蔵野市の自宅にて急死、正五位勲四等旭日小綬章。
シリーズ名/
新潮文庫
出版社/
新潮社
出版年/
1965年
ページ数/
320p
価格/
649円
内容紹介/
富士山の卓越した強力であった小見山正が50貫(約187キロ)もある花崗岩製の風景指示盤を標高2,932mの白馬岳山頂まで背負い上げた実話を基に書かれた物語。
著者の処女作にして直木賞受賞作。
感想/
★★★★☆
著者の他の著作/
『孤高の人』
単独行によって数々の登攀記録を残した登山家・加藤文太郎の生涯を題材とした小説作品。
『劒岳 ― 点の記』
明治時代末期、陸軍参謀本部陸地測量部(現在の国土地理院)によって立山連峰で行われた山岳測量プロジェクトを扱った作品。
『アラスカ物語』
明治時代の初め日本を離れアラスカにたどり着き現地の女性と結婚した日系1世フランク安田の半生を描いた作品。
『ある町の高い煙突』
20世紀初頭に日立鉱山の煙害問題の解決に向けて企業と地元の青年達が苦闘する姿を描いた作品。
『聖職の碑』
大正期にあった長野県の高等小学校(現在の中学校)の集団登山における気象遭難事故を題材として極限状態での師弟愛を描いた作品。
『八甲田山死の彷徨』
日露戦争直前の1902年に、日本陸軍が八甲田山で予行演習として行った雪中行軍中に、猛吹雪に遭遇し210名中199名が死亡した八甲田雪中行軍遭難事件を題材にした小説。
etc.
映画化/
映画化された作品は多いので比較的近年のものを載せた。
『ある町の高い煙突』
監督:
松村克弥
脚本:
渡辺善則
松村克弥
製作:
亀和夫
城之内景子
製作総指揮:
鈴木一良
宮本澄江
出演者:
井手麻渡
渡辺大
小島梨里杏
吉川晃司
仲代達矢
大和田伸也
渡辺裕之
小林綾子
六平直政
伊嵜充則
石井正則
公開:
2019年6月14日
上映時間:
130分
その他/
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