イスタンブール空港は、市の北西部に位置し、中心部へは50kmの距離にあります。イスタンブール空港に着陸してから、入国審査や税関を経て各種交通機関の乗り場へ進み、市内中心部へ行く方法について紹介します。
空港ターミナルに到着
■ 入国審査
↓
■ 預け荷物受け取り
↓
■ 税関
( 出口 )
イスタンブール空港に着陸・降機してから空港ターミナルを出るまでの、「入国審査」「預け荷物受け取り」「税関」への進み方を紹介します。
降機から入国審査
降機後、ボーディングブリッジを通って空港ターミナルへ進みます。入国審査は一つ下のフロアーなので、「Passport Control」(入国審査)の表示に従って階下へ進みます。
入国審査カウンターはいくつもありますが、日本国パスポート保持者は「Other Nationalities」(その他の国籍)と表示されているところで審査を受けます。この際、パスポートの残存有効期間が150日以上必要で、150日未満の場合は、入国拒否されるおそれがあります。
日本人のトルコへの入国審査では、日本とトルコの間には査証(ビザ)免除取り極めがあるので、3か月以内の短期滞在の場合は査証(ビザ)は不要です。また、入国カードの記入・提出も不要です。
(降機からトランスファー)
イスタンブール空港は、世界有数のハブ空港で、トランスファー(乗り換え、乗り継ぎ)が多く行われています。ここでは、余談となりますが、イスタンブール空港でのトランスファーの方法について紹介します。
イスタンブール空港では、トランスファーは入国審査(Passport Control)と同じフロアーで行われています。降機後、「Internationl Transfers」(国際線乗り換え)、「Domestic Transfers」(国内線乗り換え)の表示に従って階下へ進みます。
トランスファーの手続きには、パスポートと乗り継ぎ便の航空券が必要なので、航空券を持っていなければ、トランスファーデスクで発券します。パスポートと乗り継ぎ便の航空券を持ってトランスファーの手続きに進み、その後、乗り継ぎ便の搭乗口へ進みます。
トランスファー手続きでは、手荷受取所(Baggage Reclaim)に寄ることはできないので、預け荷物がないこと、または、預け荷物があっても荷物の預け直しが不要であること、がトランスファー手続きで済ませる要件となります。同一航空会社の乗り継ぎでは、荷物の預け直しは不要であることが多いですが、その場合でも確認が必要です。
荷物の預け直しが必要な場合には、入国をしないトランスファー手続きで済ますことはできません。入国審査を受けて入国し、預け荷物を受け取り、再度、チェックイン、荷物の預け直し、保安検査場通過、と進む必要があります。
また、国内線に乗り換える(Domestic Transfers)場合で、行き先が税関検査のない空港の場合も、トランスファー手続きで済ますことはできません。この場合にも、入国審査を受けて、預け荷物を受け取り、再度、チェックイン、荷物の預け直し、保安検査場通過、と進む必要があります。
トルコでは、入国する際には必ず税関を通過しなければなりません。
【乗り継ぎ空港での過ごし方】
トランスファー手続きにより乗り換える場合には、乗り換え空港のエアサイド※で過ごすことになります。イスタンブール空港のエアサイドには、多くのショップや飲食店があります。
また、エアサイドの国際線ターミナルエリアには2か所、国内線ターミナルエリアには1か所のプライオリティパスラウンジがあります。
※エアサイドは、搭乗客しか入れない区域で、保安検査を通過した後の場所。ランドサイドは、搭乗客以外も立ち入り可能な区域で、保安検査を通過する前の場所。
ターミナル | 名称 | 概要 |
国際線 | Pop up Lounge | ・営業時間 |
IGA Lounge | ・営業時間 | |
国内線 | IGA Lounge | ・営業時間 毎日24時間 ・所在地 エアサイドG11付近 ・利用条件 最長3時間まで滞在可能 ・設備 バリアフリーアクセス 禁煙 ソフトドリンク アルコール飲料 新聞/雑誌 Wi-Fi |
入国審査~預け荷物受け取り
入国審査を通過したら、階下の手荷受取所(Baggage Reclaim)で預け荷物を受け取ります。
預け荷物受け取り~税関
預け荷物を受け取ったら、同じフロアーにある税関(Customs)に進みます。トルコでは基本的には税関申告書は不要ですが、免税範囲(下記参照)を超える持ち込みをする場合は必要です。
・現地通貨および外貨
無制限(多額に持ち込む場合は要申告)
・たばこ
紙巻きタバコ600本、葉巻50本など
・アルコール
アルコール度数22%超1L、22%以下2L
・化粧品
コロン、香水など5点、600ml以内
・食品
お茶1kg、インスタントコーヒー1kgなど
注意:18歳未満が持ち込む場合は、免税とはなりません。
出所:トルコ共和国貿易省
税関申告する物品が有れば赤色の方(Goods to declare)へ、無ければ緑色の方(Nothing to declare)へ進みます。
税関~ターミナル出口
税関を通過したらターミナル出口(Exit)に向かいますが、この辺りには両替所(Exchange)、Sim Cardショップ、飲食店などがあります。トルコリラへの両替はここで済ますと便利です。
<空港内無料WiFi>
到着フロアーの8番ドアと9番ドアの間、10番ドア、13番ドアと14番ドアの間辺りに、1時間無料WiFiの機械があります。WiFiに接続するには、以下の手順によります。
①機械でパスポートをスキャンすると、パスワードが記載されたレシートが出てきます。
②スマホのWi-fiネットワークの中から「istanbulAirportTurktelekomFree」を選択し、パスワードとパスポート番号を入力すればWi-fiに接続されます。
イスタンブールについて
イスタンブールは、トルコの北西部に位置し、ボスポラス海峡を挟んで西のヨーロッパと東のアジアにまたがっています。
ヨーロッパサイド(旧市街と新市街)
ヨーロッパサイドは、商業や歴史の中心地で市民の3分の2が居住しています。ボスポラス海峡から牛の角のように金角湾が切り込んでおり、金角湾の南側を旧市街、北側を新市街といいます。
旧市街は、東ローマ帝国(4~15世紀)の帝都コンスタンティノープル、それを滅ぼしたオスマン帝国(15~20世紀)の帝都コスタンティニエが在ったところで、世界遺産に登録されています。見所としては、「アヤソフィア」「スルタンアフメト・モスク(ブルー・モスク)」「トプカプ宮殿」「地下宮殿」「スレイマニエ・モスク」「グランドバザール」などがあります。
新市街は、金角湾北岸に位置するガラタ地区には、東ローマ帝国の時代よりジェノバの商人の居留地がありましたが、市街化が進んだのは17世紀になってからです。イギリスやフランスなどヨーロッパ諸国が進出し領事館を建設し、19世紀以降は政府機関も旧市街から新市街へ転出しました。
新市街の見所としては、「タクスィム広場」「ドルマバフチェ宮殿」「ガラタ塔」などがあります。
アジアサイド
アジアサイドは、観光スポットは多くありませんが、マルマラ海沿いのカドキョイ地区など落ち着いた住宅街が広がっています。
サビハ・ギョクチェン国際空港
イスタンブールには、ボスポラス海峡の西側・ヨーロッパサイドにイスタンブール空港、東側・アジアサイドにサビハ・ギョクチェン国際空港があります。サビハ・ギョクチェン国際空港は、トルコの格安航空会社ペガサス航空およびAジェットの本拠地となっているので、行先によってはイスタンブール空港よりも飛行機代がかなり安い場合があります。
イスタンブール空港から市内への移動手段5選
イスタンブール空港から旧市街および新市街への主な移動手段を紹介します。
5つの移動手段を比較
以下で紹介する移動手段を比較します。
料金(TL) | 時間 | 利便・快適性 | 乗継回数 | |
地下鉄 | 42.81 | 約50分 | 中 | 1 |
Havaist | 204 | 約90分 | 上 | 0 |
iETT | 40 | 約120分 | 中 | 1 |
タクシー | 1,050 | 約60分 | 上 | 0 |
レンタカー | 国際運転免許証が必要 |
メトロ(地下鉄)
イスタンブール空港と市内を結ぶ地下鉄M11号線は、2023年に開通し、2024年には新市街側にあるGayrettepe (ガイレッテペ)駅まで延伸しました。営業時間は、6:00~0:00で、20分間隔で運行しています。
【乗り場】
空港ターミナル到着フロアーの9番ドアまたは13番ドアから外へ出ます。外に出たら前方に見える立体駐車場の方へは行かず、9番ドアから出た時は右方向に、13番ドアから出た時は左方向に進みます。
「METRO (U)」の案内に従って進み、動く歩道を通過すると、地下へ降りるエレベーターやエスカレーターがありますので、それで地下に降りたところが地下鉄駅です。
【市内への行き方】
地下鉄での旧市街および新市街への行き方は、以下のとおりです。
イスタンブール空港駅 |
イスタンブール空港駅 |
【運賃】
イスタンブール空港駅から地下鉄に乗るには、イスタンブールカード(Istanbulkart)が必要です。イスタンブールカードは、改札前に設置されている自動販売機(黄色または青色、日本語も対応)で購入できます。
イスタンブールカードの自動販売機は、現金かクレジットカードが使えますが、おつりが出ませんので、カード発行手数料(130トルコリラ、2024年12月現在)を超える入金分はチャージされます。イスタンブールカードは、市内の公共交通機関(メトロ、路線バス、トラム、フェリーなど)で使えて、割り引きがあり、最大5人で使用できます(改札を通過したら次の人に渡す)。
M11の運賃は、移動した駅の数によって異なり、以下のようになっています(2024年12月現在)。
1~3駅:20TL
4~6駅:22.81TL
7~8駅:25.80TL
9~10駅:28.95TL
イスタンブールの公共交通機関の初乗り運賃は20TLで、乗り換えの度に追加の運賃が必要となります。乗り換えをしなければ、終点まで行っても20TLです(M11は例外です)。
イスタンブール市内を公共交通機関で移動する際は、乗り換え回数が少ないほどお得です。
空港バス(havaist)
havaistは、イスタンブール空港と市内各地を結ぶエアポートバスです。ラグジュアリーバスで快適に移動ができ、大きな荷物も積み込め、FREE WIFIも完備しています。
【乗り場】
havaistの乗り場は、到着フロアーの一つ下のフロアーとなります。「Bus」「IETT- Havaist」「Public Transport」の案内に従って進み、エレベータやエスカレーターで階下へ降ります。
降りたフロアーには、バス乗り場やチケット売り場があるので、フロアー壁面に掲載されている乗り場番号と行き先に従います。havaistは、イスタンブールカードが使えません。
【市内への行き方】
イスタンブール空港駅 │ HVL-1 Aksaray Metro(アクサライ・メトロ)行き 運行時間:24時間(30~60間隔程度) 所要時間:90分 料金:204TL ↓ Aksaray Metro(アクサライ・メトロ) 旧市街 |
イスタンブール空港駅 │ HVL-9 Taksim(タクスィム)行き 運行時間:24時間(30~60間隔程度) 所要時間:90分 料金:204TL ↓ Taksim(タクスィム) 新市街 |
イスタンブール空港駅 │ HVİST-13 サビハ・ギョクチェン国際空港行き 運行時間:24時間(60分間隔程度) 所要時間:120分 料金:258TL ↓ サビハ・ギョクチェン国際空港 |
イスタンブール空港駅 │ HVL-3 Otogar Esenler(エセンラーバスターミナル)行き 運行時間:24時間運行(60分間隔程度) 所要時間:75分 料金:158TL ↓ Otogar Esenler(エセンラーバスターミナル) エセンラーバスターミナルは、トルコ最大のバスターミナルで、イスタンブール全域やトルコ全土、近隣諸国へ向けて発着しています。 |
路線バス(iETT)
イスタンブール空港には、以下の路線バス(İETT)が乗り入れていますが、市内中心部へ行くには乗り継ぎが必要です。H2番は新市街中心部まで行きますが、深夜に3便となっています。
番号 | 行き先 | 営業時間 | 所要時間 | 運賃 |
H1 | MAHMUTBEY METRO | 07:10-21:40 | 96分 | 初乗り運賃×2 (40TL,2024年12月現在) |
H2 | MECİDİYEKÖY METROBÜS | 01:10-05:30 | 102分 | |
H3 | GÜMRÜK | 06:00-20:40 | 108分 | |
H6 | YUNUS EMRE MAHALLESİ | 24時間 | 85分 | |
H8 | HACIOSMAN METRO | 08:00-20:30 | 116分 |
タクシー
イスタンブール空港に乗り入れているタクシーは、黄色、青色、黒色の3種類があり、黄色から順にグレードが高くなります。行き先別のおおよその運賃は以下のとおりです。
黄色 | 青色 | 黒色 | ||
タクスィム (Taksim) 新市街 | 950 | 1,050 | 1,550 | |
スルタンアフメト (Sultanahmet) 旧市街 | 1,050 | 1,200 | 1,750 | |
エセンラー バスターミナル (Otogar) | 950 | 1,050 | 1,550 | |
サビハ・ギョクチェン 国際空港 | 1,550 | 1,750 | 2,600 |
【乗り場】
到着フロアーの9番または13番出口から出たところにタクシー乗り場があるので、車体の色を選んでタクシーに乗ります。市内中心部までの乗車時間は、およそ1時間です。
レンタカー
レンタカーは、到着フロアーの8番ドア、9番ドアの方向に進むと、多くの会社のデスクがあります。トルコでは、車は日本と反対の右側通行で、日本人が運転するには国際運転免許証が必要です。
まとめ
イスタンブール空港に着陸後、入国審査・預け荷物受け取り・税関を経て、各種交通機関で市内へ行く方法を紹介しました。主な交通機関には、地下鉄、空港バスhavaist、路線バスiETT、タクシー、レンタカーなどがあります。
地下鉄やiETTは、運賃は比較的安いですが、荷物が積みにくかったり乗り継ぎが必要であったりします。Havaistやタクシーは、運賃は高くなりますが、荷物がたくさん積めて行きたい地点まで直で行けます。