ベトナムは歩行者が道路を横断するのが難しいけれど交通事情はどうなっているのだろうか?

その他

 

 

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序論/

 

ベトナムでは、歩行者が道路を横断するのが難しい。

ベトナム人の主な移動手段はバイクでその交通量は多いのだが、信号が少ないのでバイクの流れが止むことはない。

この状況に慣れていない人には横断が難しく感じる。

歩行者が安全に横断するコツは、運転者に歩行者の存在を認識させることだそうである。

運転者は歩行者を認識すれば、歩行者の動きを予測してよけてくれるのである。

歩行者が運転者に自分を認識させるには、目立つように堂々と、動きが予測できるようにテンポを変えずに歩くのが良いそうである。

横断中に急に走り出したりするのは、運転者は予測できないので危険である。

運転者がよけてくれるとはいっても、あれほどのスピードと交通量では事故はどうなっているのだろうか。

日本と比較して見てみる。

 

 

事故件数/

 

2020年の事故件数を見ると、ベトナムは8千件であり、日本の309千件の2割程度となっている。

(以下、数値は近年値を使用している。)

人口10万人当たりでは、ベトナムは8件、日本は246件となっており、ベトナムの事故件数が意外に少ないのがわかる。

 

 

バイク・自動車の数/

 

道路横断をためらわせるほどのバイクの量だが、その量はどの程度なのか。

バイクの登録台数は、ベトナムで4,800万台、日本で1,035万台となっており、人口100人当たりでは、各々49台、8台で、ベトナムのバイクの多さがわかる。

一方、自動車の登録台数は、ベトナムで400万台、日本で8,185万台となっており、人口100人当たりでは、各々4台、65台であり、主たる移動手段は、ベトナムはバイク、日本は自動車であることがわかる。

ベトナムの平均所得は日本の20分の1程度に対してバイクや自動車の価格は両国で変わらないので、ベトナムでは自動車が非常に高価なものとなっている。

バイクと自動車を合わせた台数をみると、人口100人当たりでは、ベトナムで53台、日本で73台で、交通量は実はベトナムよりも日本の方が多いことがわかる。

道路を通行していて両国で大きく異なるのは信号の数である。

ベトナムでは道路横断をためらわせるほど多く感じるのは、信号が少ないため交通の流れが止まないことが原因と考えられる。

 

事故死者数/

 

スピードを落とさない大量のバイクは、危なくないのだろうか。

ベトナムの事故件数は日本に比べると意外なほど少ないことはわかったが、事故による年間死亡者数を見ると、ベトナムが約6,500人、日本が約2,800人となっている。

事故100件当たりでは、ベトナムが80人、日本が1人となっており、ベトナムの致死率の高さが顕著である。

ベトナムは事故件数は意外に少ないが、一旦事故が起きれば死亡者が出る確率が高いことがわかる。

やはり、あのスピードでのバイク事故は相当に危険なのである。

 

バイクは主たる移動手段

2人乗り

3人乗り

4人乗り

 

結論/

 

交通事故件数はベトナムは意外なほど少ない。

交通量もベトナムは日本よりも少ない。

歩行者に道路横断をためらわせているのは、信号がないためバイクの流れが止まないからと思われる。

バイクと自動車の比率は、ベトナムは9:1、日本は1:9である。

事故による死亡者数は日本よりもベトナムの方が多く一旦事故が発生すれば致死率が高い。

 

<関係データ>

 ベトナム日本
人口[人]97,340,000※1125,800,000※1
交通事故件数[件]8,177※2309,178※3
死亡者数[人]6,575※22,839※3
交通事故件数/人口[件/10万人]②/①8 246 
死亡者数/交通事故件数[人/100件]③/②80 1 
バイク登録台数[台]48,000,000※410,350,000※5
自動車登録台数[台]4,000,000※681,850,000※7
(バイク+自動車)登録台数[台]④+⑤52,000,000 92,200,000 
バイク登録台数/人口[台/100人]④/①49 8 
自動車登録台数/人口[台/100人]⑤/①4 65 
(バイク+自動車)登録台数/人口[台/100人](④+⑤)/①53 73 

出所
※1 2020年値、世界銀行
※2 2020年値、ベトナム交通運輸省
※3 2020年値、警察庁
※4 2017年値、ベトナム国家交通安全委員会
※5 2020年値、日本自動車工業会
※6 2019年値、ベトナム国家交通安全委員会
※7 2020年値、国土交通省

 

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