しんがり-山一證券最後の12人-
| ノンフィクション本

四大証券の一角を占める山一證券が自主廃業を発表した。会社に踏み留まって経営破綻の原因を追究し清算業務に就いた社員は、「カネを稼がない場末の連中」と陰口を叩かれていた人々だった。

タイトルしんがり
サブタイトル山一證券最後の12人
原タイトル
著者清武 英利
(略歴等)
日本のジャーナリスト。元読売新聞東京本社運動部長。
元読売巨人軍取締役球団代表。ゼネラルマネージャー。オーナー代行。
1975年に読売新聞社に入社。青森支局を振り出しに社会部畑を歩み、警視庁や国税庁を担当。東京本社社会部次長時代に、第一勧業銀行総会屋事件や山一證券の破綻などをスクープ。
2001年、中部本社社会部長。2002年、東京本社編集委員。2004年、東京本社編集局運動部長。
2004年8月、読売巨人軍取締役球団代表(局次長相当)。
2011年11月11日、文部科学省において緊急記者会見を開き、読売新聞グループ本社会長兼主筆・読売巨人軍球団会長である渡邉恒雄が、オーナーやGMである自分の頭越しに、予め球団が決定し承認したコーチ人事を覆したことに対して重大なコンプライアンス違反であると告発した(清武の乱)。11月18日、こうした動きを受け、球団側が『渡邉恒雄への告発会見などにより、球界を混乱させたこと』を理由として、清武を読売巨人軍の一切の役職から解任した。
球団代表を退職した後は、ジャーナリストとして幅広い著作活動を行っている。
2014年、山一證券をテーマとした『しんがり – 山一證券 最後の12人』で第36回講談社ノンフィクション賞を受賞。 
訳者
シリーズ名講談社文庫
出版社講談社
出版年2019年
ページ数448p
価格968円
内容紹介負け戦の時に味方の退却を助けるために戦場に最後まで残って最後列で敵を迎え撃つ者たちを「しんがり」と言います。
四大証券の一角を占める山一證券が自主廃業を発表したのは、1997年11月のことでした。
店頭には「カネを、株券を返せ」と顧客が殺到し、社員たちは雪崩を打って再就職へと走り始めます。その中で、会社に留まって経営破綻の原因を追究し清算業務に就いた一群の社員がいました。
この中心にいたのは、会社幹部に裏切られながら業務の監査をしていた人間たちで、証券会社では「カネを稼がない、場末の連中」と陰口を叩かれていた人々でした。
社長が記者会見で「社員は悪くありませんから!」と絶叫して泣く大混乱にあって、「しんがり」の彼らはなぜ筋を通そうとしたのでしょうか。
山一が消えても彼らは決して不幸ではないと言います。「会社の破綻なんて人生の通過点に過ぎないよ」「潰れたって、何とかなるんだ」と。
“生懸命生きていれば、きっと誰かが見ていてくれる”そんな彼らのメッセージが聞こえてきそうです。
感想★★★★☆
著者の他の著作『石つぶて-警視庁二課刑事の残したもの-』
映画化
  
その他テレビドラマ化
WOWOW「連続ドラマW」枠
タイトル:しんがり 山一證券 最後の聖戦
放送期間:2015年9月20日~2015年10月25日
出演  :江口洋介、萩原聖人、林遣都
KABA BLOG
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