中国の世界遺産は55あり、内訳は文化遺産37、自然遺産14、複合遺産4。
どんなのがある？
≪目次≫
●万里の長城
北方の異民族が侵攻してくるのを迎撃するために、秦（紀元前221年-紀元前206）の始皇帝によって建設された。
その後いくつかの王朝によって修築と移転が繰り返され、現存（6,259.6km）の大部分は明代（1368年-1644年）に作られたものである。
●北京と瀋陽の明・清王朝皇宮
北京の紫禁城（現故宮博物院）は世界最大の皇宮で、明と清の24代にわたる皇帝の宮城であった。
また、瀋陽の瀋陽故宮は清の前身・後金の皇帝ヌルハチとホンタイジの皇宮ならびに清王朝の離宮であった。
●莫高窟（ばっこうくつ）（in甘粛省敦煌市）
大小492の石窟に彩色塑像と壁画が保存されており、仏教美術として世界最大の規模を誇る。
石窟は4世紀から約千年間、元の時代に至るまで彫り続けられた。
●秦始皇帝陵及び兵馬俑坑（in陝西省西安）
陵とは墓。
兵馬俑とは古代中国で死者を埋葬する際に副葬された俑（人形）のうち、兵士及び馬をかたどったもの。
●周口店の北京原人遺跡（in北京市房山区周口店）
北京原人とは約25万年前から40万年前の原人。
●承徳の避暑山荘と外八廟（in河北省承徳市）
避暑山荘は清（1644年-1912年）の皇帝の離宮。
外八廟（がいはちびょう）は避暑山荘を取り囲んでいる廟（死者を祀る宗教施設）の総称。
●曲阜の孔廟、孔林、孔府（in山東省曲阜市）
孔廟（こうびょう）は孔子を祭祀する廟所。
孔府（こうふ）は孔子の直系子孫が住んだ邸宅。
孔林（こうりん）は孔子とその一族の墓所。
●武当山古建築（in湖北省十堰市）
武当山中にある道教寺院。
●ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群（in西蔵自治区ラサ）
チベット政府の成立（1642年）後、その本拠地として建設された宮殿。
●廬山国立公園（in江西省九江市）
峰々が作る風景が古（いにしえ）より有名。
●麗江古城（in雲南省麗江市）
少数民族ナシ族によって建設された麗江市の旧市街地。
宋代より現代に至る800年の間ナシ族の政治・経済・文化の中心地として機能してきた。
●平遥古城（in山西省晋中市平遥県）
14世紀の明代に造営された町がそのまま残る城郭都市。
●蘇州古典園林（in江蘇省蘇州市）
蘇州市にある歴史的な庭園の総称。
明や清の時代に地元の名士により作られた私家園林。
●頤和園（in北京市海淀区）
歴代皇帝により整備された庭園公園。
●天壇（in北京市東城区）
明朝から清朝にかけて、皇帝が天に対して祭祀を行った宗教的な施設。
●大足石刻（in重慶市大足区）
9世紀から13世紀頃までの仏教石窟。
●青城山と都江堰（in中国四川省都江堰市）
青城山は道教関係の重要な建築物が集中し道教文化が伝えられてきた歴史名山。
都江堰は古代の水利・灌漑施設。
●安徽南部の古村落－西逓と宏村（in安徽省黄山市）
11世紀の宋朝にできた村落。
西逓村↓
●龍門石窟（in河南省洛陽市）
龍門期（494年-520年）の石窟寺院。
●明・清王朝の皇帝墓群（in北京市、江蘇省など）
●雲崗石窟（in山西省大同市）
雲岡期（460年-494年）の石窟寺院。
●高句麗前期の都城と古墳（in吉林省集安市）
高句麗は紀元前1世紀頃から668年まで現在の韓国、北朝鮮、中国東北部の南部にかけての地域に存在した国家。
●マカオ歴史地区（in特別行政区マカオ）
かつてのポルトガルの植民地であったマカオの20以上の建築や広場などの古跡を含む地区。
●殷墟（in河南省安陽市）
殷王朝後期（BC14世紀ごろ-BC11世紀ごろ)の首都の遺構。
●開平楼閣と村落（in広東省開平）
水害と匪賊（賊徒）による被害を防ぐ目的で、開平の住民によって建築された楼閣（重層の建築物）。
明代から建ち始め、1900年代初頭に建築の最盛期であった。
現存の高層楼閣は1833棟。
●福建土楼（in福建省南西部の山岳地域）
12世紀から20世紀にかけて建てられた土の楼閣で、福建省南西部の山岳地域に46群ある。
長方形か円形をしており、高さは3階か5階、80家族以上が生活している。
生活と防衛を集団で行う組織の、特徴的な建築。
●五台山（in山西省忻州市）
文殊菩薩（智慧を司る仏）の聖地。
●「天地の中央」にある登封の史跡群（in河南省登封市）
中国は自らを天地の中心に置いていた（中華思想）。
その中国の中心は嵩山（河南省登封市）であるとして、古くから仏教、儒教、道教などの宗教的な建造物群が多く作られた。
嵩山少林寺をはじめとする8件の歴史的建造物群が登録資産。
●杭州西湖の文化的景観（in浙江省杭州市）
中国国家観光局が定める観光地等級AAAAA（5A、最高）。
●上都遺跡（inモンゴル自治区）
上都は、元のクビライが、現在の中華人民共和国_モンゴル自治区_シリンゴル盟_正藍旗に設けた都。
●紅河哈尼棚田群の文化的景観（in雲南省紅河ハニ族イ族自治州）
総面積約54,000ヘクタールの世界最大の棚田群。
●シルクロード：長安－天山回廊の交易路網
長安は現陝西省西安市、天山は現新疆ウイグル自治区。
●大運河（2014年）
京杭大運河は北京から杭州までを結ぶ総延長2500キロメートルに及ぶ大運河。
●土司遺跡群（in湖南省永順県など）
古代の土司の城址などの遺跡。
土司は古代の中国王朝が周縁の部族の首長に授けた官職で、中国の皇帝が少数民族を統治するために採用した古代の政治制度。
●左江花山の岩絵の文化的景観（in広西チワン族自治区）
紀元前5世紀から後2世紀に描かれた壁画。
●歴史的共同租界、鼓浪嶼
租界（そかい）とは、清国内の外国人居留地で行政自治権や治外法権をもつ。
鼓浪嶼（ころうしょ）は福建省廈門市思明区にある島で、旧日本領事館、オランダ領事館などが現存している。
●良渚古城遺跡
良渚文化・・・新石器時代後期（紀元前3500年頃～紀元前2200年頃）、長江下流域の優れた稲作農耕文化
●九寨溝の渓谷の景観と歴史地域（in四川省アバ・チベット族チャン族自治州九寨溝県）
標高3400mから2000mに大小100以上の青い水の沼が連なる。
●黄龍の景観と歴史地域（in四川省アバ・チベット族チャン族自治州松潘県）
世界有数のカルスト地形。
カルスト地形・・・石灰岩などの水に溶解しやすい岩石で構成された大地が雨水などによって侵食されてできた地形。
●武陵源の景観と歴史地域（in湖南省張家界市）
200m以上ある石の柱が立ち並んでいる景観で知られる。
●雲南の三江併流保護区
チベット高原に源を有する三つの川、金沙江（長江上流部）、瀾滄江（メコン川上流部）、怒江（サルウィン川上流部）が雲南省北部のデチェン蔵族自治州及び怒江リス族自治州を平行に流れている1,698,400haに及ぶ地域。
動植物層が豊かなことから、世界遺産登録。
●四川ジャイアントパンダ保護区群
面積は9245km2に及び、7つの自然保護区および9つの自然公園からなっている。
●中国南方カルスト
中国南部に広く見られる多様なカルスト地形の良好な代表例で雲南省昆明市石林イ族自治県や広西チワン族自治区桂林市↓など。
●三清山国立公園（in江西省上饒市玉山県と徳興市の境界）
道教の名山であり、風景は秀麗。
●中国丹霞（貴州省赤水市など）
中国南部に残る赤い堆積岩が織り成す地形で、それが顕著に見られる6箇所9件が自然遺産として登録された。
●澄江の化石産地（in雲南省玉渓市澄江市）
カンブリア紀の化石産地。
カンブリア紀・・・約5億4200万年前から約4億8830万年前までとされ、動物の多様性が一気に増大した時期。
●新疆天山（in新疆ウイグル自治区）
美しく多彩な山岳景観や独特の生態系が評価された。
●湖北神農架
湖北省に位置する省直轄林区（県級行政区）。
中国で唯一の「林区」である。
●青海可可西里
フフシル（可可西里）は、西蔵自治区の北部と青海省の西南部にまたがる世界第3位の広さを持つ無人地帯で原始的な自然状態がほぼ完璧に維持されている。
●梵浄山（in貴州省銅仁市）
多くの貴重な動植物が生息しており、特にキンシコウ（ゴールデンモンキー）やハンカチノキはこのエリアでしか見られない。
●中国の黄海＝渤海湾沿岸の渡り鳥保護区群（第1段階）（江蘇省塩城市）
中国最大の海岸帯保護区。
複合遺産／
●泰山（in山東省泰安市）
道教の聖地である五つの山（＝五岳）のひとつで高さは1,545m。
●黄山（in安徽省）
仙境（仙人が住む世界）を彷彿とさせる独特の景観から、古代から「黄山を見ずして、山を見たというなかれ」と言われる。
●峨眉山と楽山大仏（in四川省）
峨眉山は中国国内の四大仏教聖地および三大霊山の一つ。
楽山大仏は同じく四川省にある近代以前に造られたものでは世界最大の石仏。
●武夷山（in福建省）
山水の名勝として有名で、黄山、桂林と並び中国人が人生一度は訪れたいとされる場所の一つとされる。
以上でした。