2002年、インドの巨大都市ムンバイ。
バス停では乞食たちが通勤客に金をせびっている。
その中には、「娘にミルクを」と乳飲み子を抱え訴えてくる六十歳を超えた女乞食達がいる。
レンタルチャイルド
神に弄ばれる貧しき子供たち
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石井 光太
1977年、東京都生まれ。
日本大学藝術学部卒業
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新潮文庫
新潮社
2012年
369p
649円(税込)
二〇〇二年、冬。インドの巨大都市ムンバイ。
路上にたむろする女乞食は一様に乳飲み子を抱えていた。
赤ん坊はマフィアからの「レンタルチャイルド」であり、一層の憐憫を誘うため手足を切断されていたのだ。
時を経て成長した幼子らは“路上の悪魔”(青年マフィア)へと変貌を遂げる。
三度の渡印で見えた貧困の真実と、運命に翻弄されながらも必死に生きる人間の姿を描く衝撃作。
★★★★☆
♦『物乞う仏陀』
アジアの路上で物乞いをする子供や障害者たち。
彼らと共に暮らし共に食らうことによって、その実相を伝える。
開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞にノミネート。
♦『遺体―震災、津波の果てに』
2011年3月11日。40000人が住む三陸の港町釜石を襲った津波は、死者・行方不明者1100人もの犠牲を出した。
各施設を瞬く間に埋め尽くす、戦時にもなかった未曾有の遺体数。次々と直面する顔見知りの「体」に立ちすくみつつも、人々はどう弔いを成していったのか?生き延びた者は、膨大な数の死者を前に、立ち止まることすら許されなかった―遺体安置所をめぐる極限状態に迫る、壮絶なるルポルタージュ。
講談社ノンフィクション賞と新潮ドキュメント賞にノミネート。
♦『43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層』
二〇一五年二月二十日、神奈川県川崎市の多摩川河川敷で十三歳の少年の全裸遺体が発見された。
事件から一週間、逮捕されたのは未成年三人。
彼らがカッターの刃が折れてもなお少年を切り付け負わせた傷は、全身43カ所に及ぶ。
あまりに理不尽な殺意、逡巡。
インターネットを中心に巻き起こった「犯人捜し」の狂騒。
河川敷を訪れた1万人近くの献花の人々の「善意」。
同じグループで「居場所」を共有していた友人たちの証言。
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本屋大賞ノンフィクション本大賞ノミネート。
その他著書多数
著者の既刊本リストは、こちら。
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♦関連本
『いつまでも美しく-インド・ムンバイのスラムに生きる人びと-』 (キャサリン・ブー著)
♦関連映画
『スラムドッグ$ミリオネア』
内容
インド・ムンバイのスラム街出身で無学の青年ジャマールは、TV番組「クイズ$ミリオネア」で最終問題までたどり着き、一夜にして億万長者となるチャンスをつかむが、不正を疑われてしまう……。
第81回アカデミー賞で作品賞を含む8部門を受賞。
・監督
ダニー・ボイル
・脚本
サイモン・ビューフォイ
・原作
ヴィカス・スワラップ
『ぼくと1ルピーの神様』
・製作
クリスチャン・コルソン
・製作総指揮
テッサ・ロス
ポール・スミス
・出演者
デーヴ・パテール
フリーダ・ピントー
・音楽
A・R・ラフマーン
・撮影
アンソニー・ドッド・マントル
・編集
クリス・ディケンズ
・制作会社
セラドール・フィルムズ
フィルム4
パテ
・配給
アメリカ合衆国:フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
フランス:パテ
日本:ギャガ
・公開
アメリカ合衆国:2008年
日本:2009年
・上映時間
120分
・製作国
イギリス