トルコ共和国はどんなところ?地域の基本情報を紹介

トルコ 基本情報 紹介
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2023年のトルコの国際観光客到着数は、フランス、スペイン、アメリカ、イタリアに次ぐ世界第5位で、5,520万人でした。同年の日本の国際観光客到着数(訪日外国人数)は、世界12位で、2,506万人でした。(以上、UN Tourism 世界観光機関まとめ)

日本の2倍以上の国際観光客を迎える世界の観光大国・トルコは、どのような国なのでしょうか。以下では、トルコの基本情報を紹介します。

国旗

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トルコ共和国(1923年~現在)の前身オスマン帝国(1299~1922年)が19世紀半ばから使用している国旗が、帝国崩壊後も変更されることなく共和国国旗として使用されています。現在のトルコ共和国の領土は、遡ると、オスマン帝国(1299~1922年)、ベイリク諸国(11~13世紀)、ルーム・セルジューク朝 (11~14世紀)、セルジューク帝国(11~12世紀)、東ローマ帝国(4~15世紀)、古代ローマ(紀元前8世紀~5世紀)となります。

人口

8,537万人(2023年)

主要都市の人口(上位10都市)

順位

都市名

人口(万人)

1

イスタンブール İstanbul

1,565

2

アンカラ Ankara

580

3

イズミル İzmir

447

4

ブルサ Bursa

321

5

アンタルヤ Antalya

269

6

コンヤ Konya

232

7

アダナ Adana

227

8

シャンルウルファ Şanlıurfa

221

9

ガズィアンテプ Gaziantep

216

10

コジャエリ Kocaeli

210

(出所:トルコ統計研究所)

首都

アンカラ

トルコ共和国(1923年~現在)が樹立された際に、前身のオスマン帝国(1299~1922年)の首都イスタンブールから遷都されました。

位置・気温・降水量

イスタンブール
北緯41度(青森県の北部と同緯度)に位置し、温暖湿潤気候(温帯)です。

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アンカラ
北緯40度(秋田県や岩手県の北部と同緯度)に位置し、ステップ気候(乾燥帯)です。トルコ 基本情報 紹介

アンタルヤ
北緯37度(栃木県や群馬県の北部と同緯度)に位置し、地中海性気候(温帯)です。トルコ 基本情報 紹介

物価

マーサーの2024年世界生計費調査によると、イスタンブールは調査226都市中130位となっています。この調査は、世界で最も包括的な生計費調査の一つであり、多国籍企業や政府機関が海外駐在員の報酬・手当を設定する際に利用されています。

同年の調査では、東京は49位となっています。

民族

トルコ人

トルコ人は、アナトリア半島(トルコ共和国のアジア部分)とバルカン半島(ギリシャ、ブルガリア、北マケドニア、アルバニア等々)、アラブ諸国(サウジアラビア、オマーン、イエメン等々)の一部に居住し、トルコ語を話すテュルク系の民族(ユーラシア大陸の中央部を斜めに貫く、東シベリアからトルコ共和国にまで及ぶ乾燥地域を中心にシベリア、中央アジア、西アジア、東欧などに広く分布)です。

著名人

エルドアン大統領

1994年から1998年までイスタンブール市長を務めた後、2003年から2014年まではトルコの首相(首相職は2018年廃止)を務め、2014年から現在まではトルコの大統領を務めています。

民族衣装等

カフタン

オスマン帝国の隆盛期には、毛皮で裏打ちしたものや金糸などで優美な文様を織り出したものなども作られたが、近代化政策の影響で現在は街中でカフタン姿は殆ど見かけません。オスマン帝国では、貢献のあった人物に剣とカフタンが証として贈られていました。

言語

公用語はトルコ語。

「ありがとう」 → teşekkür ederim

トルコの都市部や観光地では、英語をせる人も多くいます。一方、地方や田舎では英語を話す人は少ないため、基本的なトルコ語のフレーズを覚えておくと便利です。

宗教

人口の99%以上がムスリム(イスラム教徒)

一人当たりGDP

トルコ~13,236ドル(2023年、世界72位)

日本~33,899ドル(2023年、世界34位)

以上、IMF統計に基づく。

一人当たりGDPと平均給与は、一方が増えればもう一方も増えるという「正の相関」があると言われています。

通貨

1トルコリラ(略号はTRY)=4.14円(2025年2月現在)

トルコリラ・円相場
トルコリラの対円為替レートは低下傾向(トルコリラ安、円高)にあります。

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レートが良い両替所

日本円からトルコリラへの両替は現地でするのがお得です。大都市だと日本円からの両替は出来ますが、地方都市に行くと日本円からの両替はできない場合もあり、アメリカドルかユーロでの両替が一般的です。

現地では、当座必要になる分は空港で両替し(街中の私設両替所に比べるとレートが悪い)、まとまった両替は市内の私設両替所を利用するのがおすすめです。

イスタンブールの両替所↓

アンタルヤの両替所↓

主な国際空港

日本からの直行便があるのは、イスタンブール空港です。

主な就航都市(日本)

成田(運行航空会社は、ターキッシュエアラインズ)

ホテル代の目安

ホテル予約サイト「アゴダ」によると、ホテルのシングルルームで3千円代から、ホステルの共用ルームで2千円代からとなっています。

主な都市間交通

トルコの国土は、面積が783,600 km²と日本(378,000 km²)の約2倍で、東西1,600km、南北800kmの広がりがあります(日本は東西3,000km、南北3,000km)。都市間の移動は長距離バスか飛行機が一般的で、鉄道網があまり発達していません。

長距離バス

■チケット購入方法

長距離バスが発着するターミナル「オトガル Otogar」には、バス会社毎にチケットカウンターがあるので、そこで購入ができます。また、最寄りのバス会社でも購入することができます。

チケット購入時には、身分証明書(パスポート)の提示を求められます。

■運賃・時刻等検索サイト

トルコの長距離バス会社は多数あります。会社間の比較もできる「obilet」はおすすめです。 

イスタンブールから主な都市への所要時間や料金の目安は以下のとおりです。

路線

距離
(km)

会社

所要時間

料金
(€)
1€=160.81円
(2025.02.02)

イスタンブール
→アンカラ 

450

Metro Turizm

07時間00分16.12€
2,592円

イスタンブール
→ブルサ

150

Kamil Koç

03時間30分

13.41€
2,156円

イスタンブール
→アンタルヤ

700

Pamukkale Turizm

12時間15分

34.13€
5,488円

イスタンブール
→イズミル

500

Lüx Aydın Turizm

06時間28分

16.10€
2,589円

イスタンブール
→エスキシェヒル

300

Buzlu Turizm

05時間40分

13.41€
2,156円

イスタンブール
→カイセリ

800

Kapadokya VIP Turizm

11時間35分

24.19€
3,890円

飛行機

時期により大きく異なりますが、イスタンブールからアンタルヤを見ると、バスよりも安い時期もあるようです。

世界遺産

2025年2月現在、トルコ共和国内には21の世界遺産があります。

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●アフロディシアス

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紀元前3~紀元前2世紀に築かれた都市の遺跡で、アフロディーテ神殿と都市からなっています。アフロディシアスの富は周辺にある大理石を輸出することでもたらされました。
都市の大通りには、寺院、劇場、アゴラ(広場)、浴場などが立ち並んでいました。世界遺産としてはこれらの遺跡のほか遺跡の北東にある大理石採石場から構成されています。

●アルスランテペの遺丘

マラティヤ(トルコ中部の都市)の東約7kmに位置する高さ30mの丘には、紀元前5000年から11世紀までの地層があり、遺跡が発見されています。特に、紀元前3000年の地層から発見された遺物は、文字の時代以前に国家が設立され、複雑な社会組織として人類が発展した初期の痕跡を示しています。

●ギョベクリ・テペ

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シャンルウルファ(トルコ南東部の都市)の北東12kmの丘の上にある新石器時代の遺跡です。紀元前1万年から紀元前8000年の期間に建てられたとされ、構造物は祭祀に用いられたと考えられています。

●ゴルディオン遺跡

フリギア人(ヨーロッパ南東トラキア地方からアナトリア(現在のトルコのアジア部分)に渡ってきた民族)が、紀元前750年頃に建設した王国の首都です。

●中世アナトリアの木造多柱式モスク

13世紀後半から14世紀半ばにかけて建てられた5つの列柱モスクで、それぞれトルコの異なる州にあります。これらのモスクは、構造、建築設備、家具に使用されている巧みな木彫りと手仕事で知られています。

●アニの考古遺跡

アルメニア人によって中世に建設されたシルクロードの商業都市です。アニは、961年から1045年までの間は、今日のアルメニア共和国からトルコ共和国東部までの広い範囲を領土としたバグラトゥニ朝アルメニアの首都でした。
様々な交易ルートが交わる場所にあったことから、アニにある多くの宗教建築物、宮殿、要塞は、技術的・芸術的に見て世界でもっともすぐれた構造を有していました。長きにわたって華麗さや壮麗さで知られていましたが、1236年にはモンゴル人によって略奪され、1319年の地震によって荒れ果てました。

●イスタンブール歴史地域

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イスタンブール歴史地域は、4世紀以来東ローマ帝国の帝都コンスタンティノポリス(英語名コンスタンティノープル)が、15世紀からはオスマン帝国の帝都イスタンブール(別名コスタンティニエ)が位置したエリアで、現在はイスタンブールの旧市街地区とも呼ばれています。

●エフェソス

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青銅器時代中期を起源とするエフェソスは、紀元前4世紀頃に現在の地に移転し、前133年にローマ帝国の支配下でアナトリア地方で最も重要な都市として最盛期を迎えました。

●ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群

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トルコの首都アンカラの南東約250kmに位置するアナトリア山脈、トッズ湖、黒海に囲まれた一帯をカッパドキアといいます。カッパドキアにあるギョレメ国立公園には、3世紀頃から修道士によって、きのこ状の無数の巨大岩に岩窟修道院群がうがたれ、ウチヒサールからは特にその驚嘆すべき景観が一望できます。

●クサントス-レトーン

クサントスは古代リュキア(現在のトルコ南部で地中海に面するアンタルヤ県のあたり)の都市です。レトーンはリュキアの聖域です。

●サフランボル市街

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サフランボルの名前の由来は、香料サフランの集積地として発展した歴史にあります。サフランボルに現存する建築物群であるモスク、浴場、スレイマン・パシャのマドラサ(学校)は、1322年に建設されました。
サフランボルの栄華の頂点は17世紀で、宿屋やモスクといった建築物が17世紀から18世紀にかけて建設されました。

●セリミエ・モスクと複合施設群

セリミエ・モスクはオスマン帝国時代に建設されたモスクです。皇帝セリム2世の命で、建築家ミマール・スィナンが1568年から1574年に建設したモスクで、イスラーム建築の最高到達点の1つとされています。

●チャタルホユックの新石器時代遺跡群

チャタルホユックは、新石器時代から金石併用時代の遺跡です。その最下層は、紀元前7500年にさかのぼると考えられ、遺跡の規模や複雑な構造から世界最古の都市遺跡と称されることもあります。

●ディヴリーイの大モスクと病院

大モスク(ウル・ジャミィ)は、1228年から1229年にかけて、現地のベイリク(君侯国)であるメンギュジェク朝のアフメッド・シャーの手によって、ディヴリーイに建設されました。

●ディヤルバクル城塞とヘヴセル庭園の文化的景観

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古代ローマ時代に築かれ、時代ごとに様々な修繕が行われてきたディヤルバクルの城壁は、万里の長城に次いで世界第2位の長さと言われています。この城壁に囲まれたディヤルバクル旧市街を培ってきたのが、都市とティグリス川をつなぐヘヴセル庭園です。

●トロイの古代遺跡

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イリオス(古代ギリシア語イオニア方言)は、ギリシア神話に登場する都市で、英語ではトロイと呼ばれます。遺跡の入り口には、有名な「トロイの木馬」の複製が建てられています。
一般に、ハインリヒ・シュリーマンによって発掘された遺跡がイリオスと推定されています。神話ではかなりの規模を持った都市国家とされていますが、現在は城塞以外の遺構はほとんど残っていません。

●ネムルト・ダー

ネムルト山は標高2,134 mの山で、19世紀後半にオスマン帝国軍が偶然山頂付近を行軍した際に、山頂部が人工的な建造物であったことが発見されました。1881年にドイツ出身の技師カール・ゼシュターによって本格的な発掘調査が行われました。
頂上部には、王の座像のほか、2羽の鷲、2頭のライオン、様々なギリシャ神話やペルシャ神話の神々の像などが並んでいます。

●ハットゥシャ

紀元前17世紀~紀元前13世紀に繁栄したヒッタイト帝国の都で、1906年、ドイツの考古学者フーゴー・ウィンクラーによって発見されました。

●ヒエラポリス-パムッカレ

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紀元前2世紀にペルガモン王国の軍団居留地として台地に古代都市ヒエラポリスが建設されました。この台地上部に湧き出る温泉には石灰分が含まれ、長い時間をかけて鍾乳石や氷結した谷のような景観をつくり出しました。
高さ100mに及ぶ台地の斜面に並ぶ温泉棚には、深さ20~30cmの湯がたまっています。古代ローマ皇帝も愛でたこの地には、劇場など多くのローマ建築の遺構が残されています。

●ブルサとジュマルクズック:オスマン帝国発祥の地

トルコ北西の古都ブルサには、14世紀初め、オスマン帝国のスルタンがビザンティン時代(330~1453年)の城郭を初期オスマン建築の伝統的手法で造り替えた建物が並びます。

●ペルガモンとその重層的な文化的景観

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ペルガモンは、紀元前3世紀に、ギリシャ人のアッタロス朝の首都として建設されました。ヨーロッパと中東を結ぶエーゲ海域という古代世界の心臓部に位置したため、文化、科学、政治の中心地として発展し、ヘレニズム、ローマ、ビザンティン、オスマン帝国の各文化の融合が見られます。

チップの習慣

トルコではチップを払う義務はありません。カフェやレストランでは基本的にサービス料として料金に10%が加算されています。

レシートにサービス料が加算されていない場合には、合計額の10%を目安にチップを払うといいです。トルコでは、一般に、街中の公共トイレの使用は有料で料金が表示されています。

レストランなど無料のトイレでも係員が居る場合には、5~10トルコリラのチップを渡すと良いです。

ビザ・パスポート

日本とトルコの間には査証免除取極があり、観光など3か月以内の短期滞在については査証は不要です。また、トルコ入国に際しては、パスポートの残存有効期間が150日以上必要で、150日未満の場合は、フライト搭乗を拒否されたり、トルコ到着後に入国拒否されるおそれがあります。

治安

外務省の海外安全情報によると、シリアとの国境地帯や国の東部に危険表示がされています。(2024.5.15現在)。

飲食

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ロカンタ

ロカンタ

ロカンタ(Lokanta)はトルコの大衆食堂です。レストランの半額以下の料金で楽しむ事ができるので、多くのトルコ人で賑わっています。

ロカンタを活用すれば、美味しいトルコ料理を格安で楽しむ事ができます。ロカンタは、セルフサービス式で、ショーケースに並べられた料理の中から、自分が欲しい物を選んでトレーにのせ、レジで会計を済ませてから席に座って食べます。

惣菜などを実際に目で見て選ぶ事が出来るので、言葉が分からない外国人観光客でも安心です。トルコはイスラム圏(飲酒は禁じられている)であるのでお酒を飲める場所は限られており、ロカンタではアルコール類は一切扱っていません。

お酒を飲みたい時はレストランかトルコ版居酒屋メイハーネに行きます。ロカンタは客の回転が早く、混んでくると相席になる事も多く、落ち着いて食事を楽しむ雰囲気はありません。

トルコの飲食店ではパンは無料の場合が多いです。トルコ人もお金をかけない場合は一番安いスープと大量のパンで食事を済ませてしまいます。

イスタンブールのロカンタ↓

メイハーネ

トルコは国民のほとんどがイスラム教徒(飲酒を禁じられている)ですが、建国当初から政教分離の世俗主義を推進しているため飲酒に関しては寛容です。トルコは上質なワインやビールの産地としても知られており、お酒は多くのレストラン等で飲むことができます。

トルコでお酒を飲めるところといえば、メイハーネ(Meyhane)があります。メイハーネは、食事とお酒と音楽を楽しめるレストランです。

気取らないカジュアルなお店から伝統のある老舗、生演奏が楽しめるお店など、さまざまなメイハーネがあります。メイハーネではトルコの地酒「ラク(raki)」がおすすめです。

ラクは、ハーブで香り付けしたブドウの蒸留酒で、それ自体は無色透明ですが、水割りにすると白濁するのが特徴でアルコール度数は40度以上と強いお酒です。

イスタンブールのメイハーネ↓

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